ブランド・エクステンション

ブランドを拡張していくためには何をすればいいのか?を考えるモデルです。コトラーが考案した分類です。

商品カテゴリー





 既存 新規
既存 ①ライン・エクステンション ②ブランド・エクステンション
新規 ③マルチブランド ④新ブランド

ブランド・エクステンションとは?

すでに成功しているブランド名を利用して、新商品を新しいカテゴリーに投入すること。新規カテゴリーか既存カテゴリーか、新規ブランドか、新規ブランドか既存ブランドかの掛け合わせで、4つの分類ができます。

①ライン・エクステンション

既存のブランド名で、既存のカテゴリーに投入すること。ビール会社が「◯◯ライト」「◯◯プレミアム」を出すイメージ。

②マルチブランド

新規のブランド名で、既存のカテゴリーに投入すること。資生堂が同じカテゴリーでマミアージュとグラナスという複数のマルチブランドを展開していますが、これがマルチブランド。

③ブランド・エクステンション

既存のブランド名で、新規のカテゴリーに参入すること。ダヴは洗顔料でしたがシャンプーに進出しました。

④新ブランド

新規のブランド名で、新規のカテゴリーに参入すること。他のブランド戦略よりもコストが増したり、経営資源が分散化しやすいといったデメリットがあります。

②、④はひとつのブランドを使っていくわけではありませんが、①、③は、ひとつのブランドを広げていくことで売上を上げる考え方です。既存ブランドの力を利用することによって差別化の要因が提供できる。

ブランド・エクステンションのメリット

ダヴなら、「クリームがたっぷり入った、しっとり潤う洗顔料」というイメージが強く、そこが売りでしたから、ダヴがシャンプーを新発売するとなれば「しっとりしそう」という感じがします。最初から差別化ができています。

ゼロから始めるのと比べて安価なコストで認知や理解を獲得できます。まったく新しい名前でシャンプーを売り出すよりも、ダヴという名前がついているだけで、消費者の間で認知の獲得ができます。コミュニケーションする際にも「ダヴ=洗うもの」という認識があるはずで、理解の手助けにもなります。

あとは「トライアルの促進」「リスク低減」です。すでにダヴの洗顔料を使っていて「顔を洗うにいいから洗髪にも使ってみよう」というトライアル、お試し需要は稼げそうですから、販売量が想定しにくいというリスクを低減できます。

そして、好意も獲得しやすいでしょう。ダヴを好きな人は、きっとダヴのシャンプーも好きな確率が高いであろうことは、容易に想像がつきます。

ブランド・エクステンションの落とし穴

ブランド・エクステンションはとても難しい戦略です。それはブランド棄損につながる可能性があるからです。

ブランド・エクステンション戦略は、商品内容によってブランドが棄損されてします可能性があります。ブランド戦略との十分な整合性を持ってブランド・エクステンションをしていかないと、大変なことになるのです。

ライン・エクステンションの失敗例

ライン・エクステンションなら成功しやすいかというと、必ずしもそうではありません。

ピエール・カルダン

クリスチャン・ディオールのの独立時から一員だった彼はプレタポルテを初めて作った世界的デザイナーとして世を席巻しました。ピエール・カルダンはあまりにもライセンシングを行った結果、ブランドの価値がすっかり棄損されました。

※ライセンシング 特許権などの産業財産権や著作権を保有している権利者が、第三者に対してその使用を有償で許諾すること。

ブランドというものは一度イメージをつくれば、それを活かしてライセンスなどで一時的にお金を儲けることは簡単です。

しかし、ブランドの切り売りになります。イメージを落とすのは簡単でも落ちたイメージを上げるのは本当に難しい。ブランドをつくりあげ、エクイティにまで高めることができても、それをしっかりマネジメントしていかないと、ブランドは維持できないということです。

ブランド棄損にならないためにも、ブランド・エクステンションを行う場合は慎重に事を選びましょう。

それでも、ブランド・エクステンションが有効な戦略であることには間違いありません。

ディズニーなど成功例があるのでやり方次第です。ブランドを守りながら活動を行えば、ライセンシングを行っていてもブランドの価値を高めながら、長い期間にわたって収益を生み出し続けることができるのです。

しまむら「ハリスツイード」のコラボはブランド価値を下げているような気がするので、今後どうなるかな?

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